シトルリンの効果とは
男性サプリの重要成分として知られる「シトルリン」なぜここまで重宝されるのでしょうか。その理由と効果をご紹介します。
そもそもシトルリンとは
強くしなやかな血管をつくる
スーパーアミノ酸
シトルリンは天然に広く分布するアミノ酸の一種です。アミノ酸は主に筋肉や臓器などを構成するタンパク質の素となる物質です。ただし、シトルリンはタンパク質を構成する20種類のアミノ酸には含まれず、単体で生体内で利用される遊離アミノ酸という分類に含まれ、世界中で血流改善、動脈硬化緩和、筋肉増強などを目的としたサプリメントに配合され重宝されています。
どんな食材に含まれる?
シトルリンはスイカやキュウリ、メロンといったウリ科の植物に多く含まれています。
食品名 | 含まれる量(100gあたり) |
スイカ | 180mg |
メロン | 50mg |
冬瓜 | 18mg |
キュウリ | 9.6mg |
ニガウリ | 16mg |
ヘチマ | 57mg |
クコの実 | 34mg |
ニンニク | 3.9mg |
シトルリンの働きは?
NO(一酸化窒素)を生み出し、血流を促進
シトルリンの大きな働きのの1つに一酸化窒素 NO(エヌオー)を生み出す役割があります。一酸化窒素は体内では血管を広げる作用を持っていて血流を促進するはたらきがあります。
またアンモニア代謝に関与します。アンモニアは人体にとって有毒なので肝臓で一旦害のない尿素という物質に変換されたのちに尿から排出されます。このアンモニアを尿素に変換する工程において、尿素を合成する中間的な役割で尿素回路(オルニチン回路)で関与します。
一酸化窒素ってなに?
一酸化窒素 NO(エヌオー)は、心臓と血管の健康に欠かせない物質です。主に、血管の内皮(血管の内壁を覆う組織)でつくられています。
シトルリンで期待できる効果
1.EDの改善
シトルリンは、体内でアルギニンに変換されるプロセスを通じて、一酸化窒素の産生を増加させます。この一酸化窒素は血管を拡張し、血流を改善する重要な役割を果たします。これにより、勃起機能が向上する可能性があります。EDの多くは血流の問題に起因するため、シトルリンの血流改善効果はED改善に有益であると考えられます。
2011年に行われた研究では、「軽度から中等度の勃起不全(ED)患者に対するシトルリン補給の効果」を評価するものとして行われ、無作為化プラセボ対照試験として実施され、24名の男性が参加しました。1日1.5gのシトルリンを1ヶ月間投与したところ、勃起の硬さスコア(EHS)と国際勃起機能指数(IIEF)においてプラセボ群の8.3%に対し、シトルリン群ではなんと50%の改善が見られました。【参考】
2.筋肉肥大のサポート
またシトルリンは、運動パフォーマンスの向上や筋肥大をサポートする可能性があるとされています。具体的には、シトルリンが体内で一酸化窒素(NO)を増加させることで、血流の改善や栄養素の運搬を促進し、筋肉の回復や成長を助けると考えられています。
ある研究では、抵抗運動を行う男性に対して8週間にわたりシトルリンとグルタチオンを補給した結果、除脂肪体重の増加が確認されました。この研究では、シトルリン単独、シトルリンとグルタチオンの併用、およびプラセボの3つのグループに分かれて実施されました。結果として、シトルリンとグルタチオンの併用グループは、筋肉量の増加と筋力の向上が顕著に見られました。【参考】
また別の研究では、シトルリンが分枝鎖アミノ酸(BCAA)代謝に与える影響が調査されました。トレーニングを行うサイクリストにシトルリンを摂取させた結果、血漿中のBCAA濃度が低下し、これはBCAAがエネルギー源として利用されたためと考えられています。【参考】
これらの研究結果から、シトルリンは筋肥大や運動パフォーマンスの向上に対してポジティブな影響を持つ可能性が示唆されています。
3.疲労回復
シトルリンには疲労回復の効果に関してもおもしろいデータや研究があります。特に体を使う力仕事の方や立ち仕事の方、ハードなトレーニングをこなす方にとって、シトルリンは心強い味方になってくれるかもしれません。
急性効果に関する研究: ある研究では、シトルリンの補給がレジスタンス運動のパフォーマンスや筋肉の酸素化に与える影響を調査しました。この研究では、抵抗訓練を受けた18人の男女が対象となり、シトルリンまたはプラセボを摂取して運動パフォーマンスを比較しました。結果として、シトルリンの単回投与(8g)は、等尺性力発揮、筋持久力、または筋酸素化パラメータに有意な改善をもたらさないことが示されました【参考】
シトルリン・マレートの効果: 別の研究では、シトルリン・マレート(CM)の補給が筋肉のエネルギー代謝に及ぼす影響が調べられました。この研究では、疲労を訴える18人の男性が対象となり、15日間にわたって1日6gのCMを摂取しました。結果として、CMの摂取は運動中の酸化的ATP生成率を34%増加させ、運動後のリン酸クレアチンの回復率を20%増加させることが示されました。これにより、CMは筋肉の疲労回復を促進し、エネルギー生産を改善する可能性が示されました【参考】
これらの研究は、シトルリンおよびシトルリン・マレートの摂取が運動による疲労回復に対して有益な効果を持つ可能性を示唆していますが、その効果の程度や具体的なメカニズムについてはさらに詳しい研究が必要です。ぜひ参考にしてみてくださいね。
効率的な摂取方法
シトルリン自体の効果もさることながら、摂取タイミングも効果に影響を与える重要な要素です。パフォーマンスの向上を目指す場合、運動の30〜60分前にシトルリンを摂取することが推奨されています。これは、シトルリンが体内で一酸化窒素(NO)の生成を促進し、血流を改善するまでに時間がかかるためです。【参考】
上記で紹介した効果を最大にするために、シトルリンは性行為やトレーニングの90分~2時間前に摂取することを心がけるとよいでしょう。
まとめ
多くのサプリなどに配合され愛用者が多い理由として、その安全性の高さがあげられます。シトルリンの摂取による研究でも重大な副作用は報告されず、被験者の大多数がシトルリン補給を良好に耐えられることが確認されました。
男性のED改善やパフォーマンス改善についてその効果が支持されるシトルリンですが、シトルリンの効果を最大限に引き出すためには、健康的な生活習慣やバランスの取れた食事も重要です根本的な原因に対処しながら、シトルリンを含む補助療法を取り入れることで、より良い結果が期待できるでしょう。
▼その他の成分記事を読む▼